【Grace act.】熊本へ災害ボランティアに行ってまいりました。

先日、熊本の八代市へ、災害ボランティアに行ってきました。友人たちが運営している「熊本支援チーム」という団体に申し込み、被災された方のお宅を3軒訪ねました。

私たちが行った主なボランティアは、使えなくなった家財を運び出す活動です。水に濡れた家具や、割れた食器。地震でゆがみ、扉が開かなくなった棚などもありました。大きな木製の家具は解体してから運び出します。

1軒目は、90代の女性が暮らしていた大きな一軒家でした。今はその家に住めず、熊本市内のマンションで生活されているそうです。私は主に、本のある部屋を担当しました。ご希望に沿って、全て運び出しました。研究や教育に関わる方がいらしたのかな、と思うほど興味をひかれる本も沢山ありました。崩れ落ちた本も、棚に収まっていた本も、全て運びながら、この家で積み重ねられてきた時間を感じました。

 2軒目では、立派な桐の家具やタンスを解体しました。私たちは家具を解体するプロではないので、慣れない作業で時間がかかりましたが、チームのみんなで「どこから外せるかな」と考え解体し、分別のためにも大量のネジを一本ずつ外していきました。

 3軒目では、地震で水槽が壊れ、水に濡れた物がありました。その方は障害があり、片づけが難しいとお話しをされていて、衣類などを「残す物」「手放す物」に、一緒に分けていきました。熊本支援チームは、必要に応じて福祉団体へつなぐこともあると伺い、支援にはいろいろな形があるのだと知りました。

たった3軒でも、困っていることは一軒ごとに違いました。熊本支援チームが大切にしているのは、「心の復興」だと伺いました。災害で壊れた物だけでなく、ご自身では片づけきれずにいた物も、ご希望があれば一緒に整理する。その作業が、暮らしを立て直す一歩になるのだと感じました。

 今回、特に心に残った話が二つあります。

 一つは、物資を担当されている方から聞いたお話です。

チームの拠点には、たくさんの支援物資が置かれていて、必要な物を取りに来る方がいらっしゃいます。担当の方によると、女性が来られたときには、帰る前に必ず「生理用品は必要ありませんか」と声をかけるそうです。

何故かというと、家族に必要な物をそろえることに一生懸命で、自分自身のケアが後回しになっているお母さんもいる。声をかけられて初めて、「あ、自分のことを忘れていた」と気づき、涙を流される方も少なくないと聞きました。

そのお話が、ずっと心に残っています。必要な物が手元にあることも大切ですし、同時に、自分のことを気にかけてくれる人がいると感じられることも、大きな支えになるのだと思いました。

もう一つは、災害が起きるたびにボランティアに入ってきた方のお話です。その方は今回、初めてご自身が被災したそうです。

これまで何度も人を助けてきたのに、自分の家がめちゃくちゃになった光景を前にすると、どこから手をつければいいのかわからず、体が動かなかった、と。

その後、ボランティアの方が来て、家の中が少しずつ片づいていくのを見ているうちに、ようやく自分も何をすればいいか見えてきて、動けるようになったそうです。

私はその話を聞いて、被災した方に「まず自分で動いてください」とは簡単に言えないのだと感じました。途方に暮れているとき、誰かが来て、最初の一つを一緒に片づける。そのことが、次の一歩につながる場合があるんですね。

今回の活動で私が主にさせていただいたのは、家財を運び出す支援でした。その先には、一人ひとりの暮らしと心がありました。生理用品が必要かと尋ねることも、家具を一緒に運び出すことも、相手を気にかけ、その人がもう一度動き出すための支えになり得るのだと思います。

また機会を作り、自分にできることを続けたいと思っています。

支援の仕方はそれぞれですので、ボランティアに行く方も、物資を送る方も、募金する方も、ご自身の心地良い範囲でなさってくださいね。

Nao

★熊本支援チーム