Grace act. 社会貢献活動について。
①児童養護施設との関わりは、”養育を語る会”が原点
ナオランジェリーでは、2020年からご縁のある児童養護施設へ下着の寄付をさせていただいております。2013年に起業をする前から、ブランド運営の先に、いつか子供の役に立てるような活動をするんだと決めていました。理由は後ほど説明いたしますが、実際に活動をスタートできたのが2019年です。6年の歳月がかかってしまいましたが、ご縁をいただけたことに感謝しています。
私が初めて児童養護施設に訪れたのは、2008年の24歳の時でした。当時、勤めていた建築専門シンクタンクの社長が、「菜緒にぴったりの会があるから来なさい」と突然言われて行ったのが、”養育を語る会”というものでした。養護施設の施設長や理事長が集い、養育について話し合いや勉強会が開催されました。私は、それから約2年弱の間、参加させていただきました。社長が記録を担当していたので、書記係をさせていただいたこともありました。会議室での話し合いだけでなく、実際に養護施設「光の子どもの家」へ行かせていただき子供たちと交流することもありました。また、養護施設のドキュメンタリー映画「隣る人(http://www.tonaru-hito.com/)」を鑑賞するなど、養育について学ばせていただきました。
その会社を退社すると共に、参加することはなくなってしまいましたが、いつも心にありました。いつかまた、養護施設の子どもたちに関わることがしたいと思っていました。
話は少し戻りますが、当時の社長が何故、菜緒にぴったりな会があると言ったのか。それは、菜緒を見ていると、”私はここにいるんだ!誰か気がついて!という叫びを感じるから”と話してくれました。子供の頃から、自分の心が安心できる居場所を探し求め、学校でもグループにはなかなか馴染めず一匹狼タイプの私。強気な時もあるけれど自分の存在意義がわからなくなる時もあって、誰かに依存して委ねたり、依存された側は当然のこと、鬱陶しくなって離れていく。その繰り返して、寂しさは増大してゆく。その寂しさを抱えたまま大人になって、お酒を飲めるようになると、皆でいるときは声が大きくなって楽しいのに、帰って1人になるとあまりにも寂しくて夜中なのにお友達に電話をかけたり、泣いたり、髪の毛を掻きむしったり・・そんな姿を温かい目で見ていてくれた社長だったのです。
そこから、自分を見つめ直したり、友人知人との関係性からの失敗や経験を踏まえて、物事をポジティブに捉える練習をしたり(それまで、自分がネガティブだと気がついていませんでした!)、とても良いきっかけになりました。
死にたいと思った小学校4年生の時の私に、今の私が言ってあげたいことは、”絶対大丈夫。もう少し歩んでいたら、必ず愛を教えてくれる人がいるよ。そして、あなたはかけがえのない大切な大切な価値のある存在だよ。絶対大丈夫だよ。”ということです。
寂しい気持ち、存在を否定されたような苦しさ、人が離れていく悲しみ、そんなことを抱えている誰かがいたら、私でよければほんの少しだけでも力になりたい。特に、子供の頃は、環境を自ら変えることはなかなか難しいことだと思うので、何か伝えられることがあれば有難いと思っています。
ずっと先になるかもしれませんが、最終的には、養育を語る会で学んだ”大事な人の隣にい続けること”ができる人間になりたいと思っています。続く。
②児童養護施設への寄付のきっかけ
前回書いたように、わずかでも、子供たちのお役に立つことができないかとずっとその機会を探っていました。こちらが勝手に思ったからといって、すぐにアクセスできないのが養護施設です。
養護施設は、いわば閉ざされた空間でもあります。それは大人から子供を守るためにです。子供を育てることができないけれど一緒に暮らしたいと思う親もいれば、自らの子供を利用しようとする親もいます。
こんなことがあったそうです。養護施設に預けれた子供が実の父親に引き取られた。その子供はSNSを始めた。それを見つけだしたフィリピン籍の母親が子供にアクセスし、子供と会い、そのまま母親が人身売買で売り飛ばしてしまった。
別の養護施設出身の女の子が直接教えてくれたのは、母親がホストクラブにはまって、お金を全て使ってしまう。女の子のバイト代まで無心しにくるということでした。
施設としては、子供たちの命や心を守るために、親にも、ましてや赤の他人には尚更のこと、簡単には子供と近づけられません。そのような中で、どうしたらと良いのかと考えあぐねていた時に、近所の素敵な女性が養護施設の支援をされていらっしゃいました。里親になることも検討しておられました。彼女が開いた食事会に、ある施設の職員さんがいらしゃっていました。
そこで職員さんがこう話してくれました。「施設によっても違うのですが、子供たちが衣類や下着に使えるお金は限られていて、やはり洋服から欲しいので、なかなか下着にはお金が回らずに古い下着をずっと着ていて可哀想に思います。下着が高くて買えないと皆話しています。」大人でも下着の優先順位が低い人が多い中、子供は顕著だと思います。
ここで驚くことは、職員さんは、私が下着屋だとは知らずに、そうおっしゃたのです。私は、ナオランジェリーという手の温もりから生まれた下着を着けることであたたかさや、自分を慈しむ感覚、自分を大切にすることを体感して欲しいと思い、その職員さんにナオランジェリーの下着を寄贈させていただけないかとお願いしました。ご快諾くださり、職員さんを通じて下着とナオランジェリーのコンセプトが、初めて子供たちの手へと渡っていったのです。続く。
③実績
2019年 【養護施設】東京都1件(ノンワイヤーブラジャーとショーツを25セット)
2021年 【養護施設】東京都1件(ノンワイヤーブラジャー14枚とショーツ28枚)
2022年~2023年 【養護施設】東京都3件・大阪府1件【児童養護施設退所児童等アフターケア事業所】1件(I.Ladyコラボショーツ○○枚)
④I.Ladyとチャリティーショーツをコラボ制作
I LADY. × NAO LINGERIE 国際協力NGOジョイセフによるプロジェクト「I LADY.」とコラボレーションしたショーツを制作いたしました。
------------------------------------------------------
▼「I LADY.」とは?
I LADY.は、国際協力NGO「ジョイセフ」が、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツの意識向上により得られる『ライフスキル』を伝えるプロジェクトです。一人ひとりが自分の性や身体と向き合い、自分らしい選択ができるようにと喚起し、まずは日本から「I LADY.な生き方」を広げ、世界中の女性のエンパワーメントを目指しています。 http://ilady.world/ その中の活動の一つ、チャリティピンキーリング(https://joicfp.shop/)が2021年で10周年を迎えました。 今回のコラボショーツは、その10周年記念ピンキーリングと連動した、”Loveショーツ(3色)”です。
―――――――――――――――――――――――――――
私たちは、ILADY.の『一人ひとりが自分の性や身体と向き合い、自分らしい選択ができるように』というメッセージに共鳴し、共にメッセージを世界中の全ての女性へ届けたいと思い、コラボレーションをさせていただきました。
ピア・アクティビストの皆さんと制作した、女性の象徴の一つでもある子宮を包むショーツを身につけていただくことで、女性に自分を大切にするという感覚や体験を届けたいと思っています。
ーI LADY. × NAO LINGERIE Loveショーツー
フロント部分に”Love”のロゴが入っており、シンプルながらオシャレで履きやすく、気分があがるショーツです。クロッチ部分は安心安全のオーガニックコットンを使用しております。
▼カラーバリエーションとその意味
①Sustainable(アースブルー×フォレストグリーン) すべての女の子が、美しい地球で暮らせますように。 ※ナオランジェリーでは、「ブルーグリーン」
②Cheer(マーブルイエロー×マーブルホワイト) すべての女の子が、毎日を元気に過ごせますように。 ※ナオランジェリーでは「イエローホワイト」
③Cherish(コーヒーブラウン×パールピンク) すべての女の子が、自分を大切にできますように。
―――――――――――――――――――――――――――
▼寄付用商品
ナオランジェリーでは、以前より日本の養護施設の女の子たちへ下着を寄付する活動をおこなってきました。 国の助成金や寄付で運営されている施設に入所している子供達は、自由に使えるお金が限られているため、下着にかけられるお金はほんのわずかです。 今回初めて、養護施設の子供達へ活動支援したい気持ちがあっても、窓口や必要なものがわかりづらい現状があることから、ナオランジェリーがおこなっている活動に皆様もご参加いただけるように企画しました。 あなたの選んだ1着が、そのまま養護施設の女の子の元へ届きます。
https://naolingerie.com/products/ilady-sy-dig
★特典★ご参加いただきました方には、ご購入特典として、ナオランジェリー公認のディグニスト証書カード(尊厳を守る活動を一緒にしてくれるメンバー)を、ささやかなお礼として、後日ご登録いただいた住所宛にお送りいたします。
⑤15年ぶりの児童養護施設で、直接お渡しすることができました。
I.ladyさんと制作した寄付用”Loveショーツ”(④のリンク)を大阪府の児童養護施設へ直接お渡しさせていただきました。直接お渡しすることは初めてでしたので、とても有難い機会でした。ご縁をいただきましたMETさまには、この場を借りて、心より御礼を申し上げます。
当日は、副施設長より、子供たちの状況や環境について伺いました。子供たちとの対話やレクリエーションを通じてのコミュニケーションも大切にされていらっしゃり、改めて尊いお仕事をなさっていると敬意と感謝の念が込み上がりました。
現在、養護施設にくる子供たちの多くが虐待を経験しているそうです。性被害も少なくないので、性に関しての話題は非常にデリケートです。下着と性は切り離せないものですが、性を語ることは慎重にしなければなりません。被害による心の傷が癒えることはありませんので、傷に塩をぬることにならないよう、何かお役に立ちたい、支援をしたいということが、自己満足にならないよう、少しずつ施設の皆さんと理解を深めていけたらと思っております。
まずはご縁をいただき伺えたこと、ナオランジェリーと同じ想いを持ってくださった方々の気持ちを直接届ける機会を得たことに感謝したいと思います。少しずつ、私たちがさせていただけることが増えていくように時間をかけて参りたいと思います。