vol.2 情熱編 〈NAO LINGERIE 〜歓びと苦悩の舞台裏〜〉

銀座サロンは、2024年2月27日をもちまして、賃貸契約満了のため、クローズする運びとなりました。

約9年間に渡り、多くのお客様にご来店いただけましたこと、心より御礼申し上げます。銀座サロンでの約9年間の感謝の気持ちを込めて、銀座サロンとオンラインショップで特別なセールを開催いたします。

セールは、3つの構成となっております。
vol.1 【歴史編】
vol.2 【情熱編】
vol.3. 【誇りと尊厳編】

それぞれのテーマに合わせたセール商品が追加されていきます。ナオランジェリーのこれまでの軌跡を一緒に辿りながら、セールも合わせて楽しんでいただけますと幸いです。

セール商品はこちら

vol.2 情熱編〈NAO LINGERIE 〜歓びと苦悩の舞台裏〜〉


デザイナーNAOは、10代の頃からアートのようなインポートランジェリーが大好きでした。


しかしながら、インポートランジェリーは、細身だったNAOのサイズと合わないことが多く、うっとりするほど美しいデザインでも、身体にフィットせず、身につけられないことが多くありました。

一方で、日本ブランドは身体にフィットするものの、心からときめくデザインにはあまり出会えませんでした。

「インポートランジェリーのような、アートのように美しく品のあるデザインで、日本人女性にフィットするものを作ろう」そう思ったのがオリジナルランジェリーを作るきっかけでした。

オリジナルランジェリーを作ると言っても、下着業界はノウハウ本は全くありません。メーカーさんにとっては、手の内を見せることになりますので、勉強できるものが全くありませんでした。日本では、ランジェリーデザインを学べる学校もありませんでした。そこで、NAOはイタリアまで飛び、ランジェリーデザインを学びました。

▲クラスメイトたち。

そこで、どんなランジェリーを作りたいのかを徹底的に考え、今のナオランジェリーを産み出すことができました。

NAO LINGERIEがランジェリーを制作する上で大切にしていることが、大きく4つあります。

①アートのように美しいのあるデザイン
②身体にも見た目にも無理のないフィッティング
③日本で女性が日常的に使うことを考えた実用性
④メイドインジャパンで高品質であること

下着オタクでコレクターでもあるオーナー・デザイナーNAOが、自らオリジナル商品を作る上で絶対に妥協することのできないこだわりでした。

しかし、実際に作ろうとしてみると、想像を大きく上回るたくさんの壁が立ち塞がりました。

どれか一つだけをクリアするのではなく、この4つ全てを完璧に成り立たせるということはとても難易度が高く、関わるすべての人がプロフェッショナルな仕事をし、情熱を持って取り組み続けなければなりません。

★今回のテーマでは、ものづくりへの熱い情熱とこだわりを紐解いていきます。


【①アートのように美しい品のあるデザイン】
デザインを考える上で、最もこだわっているのが「レース」です。レースの美しさこそ、ランジェリーの命と考えています。

眺めているだけで、心が豊かになるような、うっとりするほど美しいものを纏っていただきたいのです。美しいものを纏って鏡の前に立った時、私は素晴らしい存在なのだと、その美しいものを纏う価値が自分にはあるのだと、そう感じられるとナオランジェリーは信じています。

数百、数千種類のレースを見てきた中で、心から納得できるレースのみを厳選し、コンセプトによって日本最高品質の「リバーレース」と「刺繍レース」を使い分けています。世界には、より繊細なレースは存在しますが、耐久性が低いなど実用性を考え、採用していません。

▲リバーレース

▲刺繍レース

すでにデザインされているレースを使用することもありますが、オリジナルデザインのレースを作り、使用しています。個人ブランドでオリジナルレースから制作するということは極めて珍しく、それほどレースにかける想いが深く、大切に考えています。

また、美しいレースをさらに際立たせるにも強いこだわりを持っています。他社にはない独特なカラーであることは、ナオランジェリーの魅力の一つでもありますが、それは、ゼロからオリジナルで染色しているからこそ出来上がります。



生地の特性や、その日の環境によって、1度では希望通りの色に染まらないこともあるのですが、自信を持って商品化できる色に出来上がるまでは、何度もやり直します。

オリジナルでわざわざ染色しなくとも、レース屋さんにはすでに染色してあるレースがあるため、その中から選ぶブランドも多いのですが、ナオランジェリーでは、商品を一つの作品として、心から納得できるものに仕上がるまで追求します。

1つの商品に2色使うこともあるため、その場合はさらに倍のコストや労力がかかりますが、それでもオリジナルの色に染色するというのは、ナオランジェリーの強いこだわりの1つです。




【②身体にも見た目にも無理のないフィッティング】
「身体にも見た目にも無理のない美しさ」
これは、長年、国内外問わず様々なランジェリーを愛用し、また、補正下着メーカーでの経験を持つ、デザイナーNAOのひとつの答えです

快適にフィットしないブラは、身体を傷つけてしまうこともあります。
ワイヤーが痛い、下着というのはキツく苦しいもの、そう思っている方は多いのではないでしょうか。また、補正下着でないと身体は綺麗にならないと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

身体にフィットする下着というのは、軽やかでラクな着心地です。バストが窮屈に押さえつけられたり、カップが大きく浮いてしまうことなく、肌に吸い付くようにフィットします。


ナオランジェリーは、身体にも見た目にも無理のない美しさを目指して、0.03mm刻みで試行錯誤を繰り返し、独自のパターンとオリジナルワイヤーを開発しました。

バストを適度にサポートする独自のカップ構造、バストに馴染みやすい軽い素材を吟味し、カップ内側とデリケートゾーン部分には質の高い無染色のオーガニックコットンを使用、日本人の骨格に合う広めのワイヤーの開発、華奢に見えながらも脇の高さを出し、ずれない安定感を出すパターンラインなど…。バストにとって、女性の体にとって、心地良い居場所を作り、美しく在れる設計を目指しました。

個人ブランドがワイヤーを独自で開発しているということは極めて珍しく、肌に吸い付くようにラクな着心地なのに、バストを適度にサポートするという、本来は相反する価値を実現しました。快適性と機能性もありながら美しいバストメイクを叶えるために、ナオランジェリーが情熱を持ってこだわり抜いた部分です。

試着をしていただくと、多くの方に驚かれます。手に持った瞬間から軽く、着心地がラクであること。そして簡単なストラップ調整をするだけで、無理に寄せあげなくても美しいバストラインが出来上がる、そして、長時間付けていても疲れずラクな着心地が持続することから、これまでに本当に多くの方にリピートしていただきました。

「身体にも見た目にも無理のないフィッティング」というナオランジェリーのこだわりを皆様に実感していただけることをとても嬉しく思っています。


【③日本で女性が日常的に使うことを考えた実用性】
NAOは、柳宗悦を中心とした民藝運動に影響を受け、実用性・使いやすさを追求したものには、その形に美しさが宿るという意の「用の美」を大切にしています。

美術品ではなく、実用性を備えた日常にあるものでありたい、と制作しているため、特別な時にナオランジェリーを使っていただけることもとても嬉しいのですが、日々の仕事や会議、一人で過ごすリラックス時間、女子会やデートで気分を上げたい時など、どんなシーンでも寄り添うブランドでありたいと思っています。



例えば、ノンパテッドブラやブラレットのような透け感のあるランジェリーは、バストトップがお洋服に響きにくい工夫がなされています。日本で生活する上で、シーンを選ばずに着ていただきやすくするためです。

また、1日着けていても疲れにくく、品のある華やかなデザインであることは、仕事~その後のデートやお出掛けまで、丸1日身に着けたくなる日常に馴染むランジェリーであるためです。


【④メイドインジャパンであること】
ナオランジェリーでは、ブランド設立当初から、メイドインジャパンにこだわって、制作しています。

ひとつは、世界中のランジェリーをみてきたNAOが、機能性、耐久性などの品質の高さで、日本のものづくりは最高品質であると実感しているからです。

最高品質のランジェリーを皆様にお届けしたいと思った時に、メイドインジャパンの高い技術を持った職人たちと制作するということは必須条件でした。

NAOの両親の実家は、ともに町工場を経営していました。職人たちを手伝いながら子供時代を過ごした経験から、日本の職人たちの技術の高さ、素晴らしさを強く実感しています。

この日本の職人たちの高い技術を後世に継承し、世界に発信していきたいという想いも、メイドインジャパンにこだわって制作している理由の一つです。


次回は、第3弾「誇りと尊厳」編
ナオランジェリーの核となるコンセプトについてお伝えします。

 

 

→「Vol.1 歴史編」はこちらからご覧いただけます。

vol.3 誇りと尊厳編」はこちらからご覧いただけます。